「パンク侍、斬られて候」 〜町田 康〜

お題「好きな作家」

 

僕の好きな作家に、"町田 康(マチダ コウ)"という方がいます。

 

最近、氏の名作が映画化されました。

 

パンク侍、斬られて候

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映画の主演は綾野剛氏。

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映画は原作にかなり忠実に作られており、個人的には良い出来だと思いました。

 

 

町田氏の本は、一見するとハチャメチャ、というか、支離滅裂なんですが、その独特の文体からくるギャグ、というか、書き回しが本当に面白く、僕はこの本を読みながら何度も笑ってしまいました。

 

 

気にってる箇所を抜粋↓

「・・・テレビ時代劇で牢人ものなんかが入っていって

 

・・・中略・・・

めし、と書いてあるような店。っていうのはあれ前から疑問だったんだけど、おやじ、めしと酒だ。

 

といって何が出てくるのだろうか?

 

飯というのは食事という意味で適宜お新香やブタ汁などもついているのだろうか」

 

 「あなた方も茶を飲んだらよい。宇宙が砕けますよ」

 

「殿。ここで一度休息なされたらいかがでしょう」

 

「休息?なにをいう。いま余は休息に来ているのではないか。その休息を休息しろってどういうことよ」

 

「いやまあ休息は休息ですが、その休息をさらに休息すればもっと休息できるのではないかと思ったものですから」

 

設定は時代劇なんですが、現代語で話していたり、たとえ話に英国のミュージシャン(シャム69) が出てきたりと、面白い感じになっています。

 

 

 

町田氏を知ったのは、作家としてではなく、氏がやっていたパンクバンドからでした。

 

 

メシ喰うな

メシ喰うな

 

 

このレコードはホント名盤。

本人のインタビューを読む限りは、そこまで情熱が続いたバンドではなかった様ですが・・・。

 

 

自分の好きなバンドの方が、芥川賞作家になった、というのが、なんとも不思議だったので、そこから何か読んでみようかな?

 

と、思ったのがきっかけです。

 

読んで見たら、面白いこと、面白いこと。

 

 

あと、氏の小説は、真の意味で空白、中身がない作品が多いので、純粋に面白い、面白くない、って取り組めるのが良かったんでしょうね。

 

太宰、三島、のような重厚な作品、って感じではありませんので・・・。

 

 

漱石の「吾輩は猫である」に近いと思います。

 

 

ぜひ、当該作品をよんでみることをおすすめします。