これがないと貯金ができない!
日本には約1080兆円の借金があるといいます。
加えて少子高齢化、外資本の台頭なんかもあり、国内の経済は依然、先行き不透明であります。
我々世代の年金もどうなるかわかったもんじゃありません。
そんな将来の不安に備えて、僕は貯金を始めた。
「はっつあん。一体、貯金てなあ、どうやればいいんかね」
「それおめえ、あれだよ。まずはそういう仕組み作りが大切なんだよ」
「仕組みってえと?」
「ばかだなおめえは。ブタの貯金にでも毎日ゼニをいれてくんだよ。そら、最初は100円とか、そんなもんしか貯まらねえよ。ただな、それが5日、10日、ひと月、とやってみい、気づいたら大金が拵えられてるって寸法よ」
だから、ブタの貯金箱を買った。初期投資額は約¥3000だ。
これに毎日¥100を入れていくことにする。
さっそく入れたろう、と、財布をまさぐってみたところ、あいにく50円玉が1枚、10円玉が6枚、1円玉が3枚、1000円札が1枚しかなかった。
こういうときに限って100円玉ってのはないのである(マーフィーの法則)
仕方がないから、1000円札を1枚握りしめ、近所にコンビニにダッシュした。
札を崩して100円玉にするためである。
店に入るなり「酢だこさん太郎」を1枚手に取り、レジに向かう。
走ってきた際、力が入りすぎて1000円札をにぎり潰してしまっていた。
くしゃくしゃになった1000円札を、店員さんにぬらっと渡し、札を崩して100円玉を手に入れる。
店を出てから
「ああー、全力でダッシュしたから喉乾いたなー」
今年は熱中症で倒れた方々が多いと聞き及んでいる。
水分補給は大切よねー、なんてことで、自動販売機に130円を投入し、コカ・コーラを購入した。
ボタンを押すとき
「Yes!ColaイズYes!」
と、心の中で呟いた。
喉が渇いていたので、浴びるように半分飲み干し、強炭酸にむせ返った。
あとでゲップの時、鼻痛くなるやつだ、これ。
後の恐怖と引き換えに、現在の快楽を優先する僕。
今が楽しければいいじゃない。
家に戻って貯金箱に100円を投入する。
初期投資が¥3000だから、ペイするまで1ヶ月かかるな・・・。
そう思いながら、ブヒブヒ言って寝た。
ちなみに目標は100万円です。